KUMANO XR を中核に、邪払の社・ガストロノミー・リトリートへ。四つの灯は、ひとつのブランド観 ──「日本を 世界に翻訳する」── で結ばれる。
失われた風景を、翻訳する。
明治22年(1889年)の十津川大水害で、熊野本宮大社は大斎原から流失した。十二社が立ち並んでいた荘厳な聖地は、現在、大鳥居と石碑、広大な草地のみが残る。
九鬼宮司より、旧社殿の物理的再建は「無理」とのご見解。しかし、千年以上にわたり日本人の魂の蘇りを支えてきた「失われた風景」を、いま一度体感いただく方法はないか ── その問いへの一つの答えが、KUMANO XR。
最先端の XR 技術により、HMD を装着して大斎原の地を歩きながら、MR と VR がシームレスに切り替わる「ハイブリッドXR」を体験。約20分間、八咫烏の導きとともに、神武天皇の神話・後白河法皇の御幸・往時の本宮・明治22年の崩壊・そして現代の「よみがえり」を、一連の物語として辿る。
これは観光施設ではない。千年の祈りと喪失と再生を、現代のテクノロジーで翻訳する文化事業である。
八咫烏がMRで出現し、旅の始まりを告げます。
神武天皇の神話と、八咫烏の導きが語られます。
MRで往時の巡礼者が、目の前を通り過ぎていきます。
12社の社殿群が、目の前に立ち現れます。
30回以上熊野を訪れた法皇の参拝を追体験します。
社殿が水に呑まれ、流失していく歴史的瞬間。
現代に戻り、社殿群がデジタルで甦ります。
体験を物語として持ち帰っていただきます。
チケットは1名7,500円(税込)。価格の中には、本事業の根幹である地域・熊野本宮大社への還元スキームを組み込んでいます。
2027年4月予定
年間335日(雨天・荒天時は休止)
25〜40名(事前予約制)
日本語・英語・中国語・韓国語
常勤コア6〜7名+繁忙期補助3〜6名
田辺市本宮町への年間来訪者 約161万人(2024年実績)
土地の精神性を、皿に翻訳する。
熊野は古来、巡礼者を迎え入れる土地として、植物性中心の精進料理、那智黒米、本宮の山菜・川魚、紀伊半島の柑橘や山椒など、独自の食文化を育んできた。これらは単なる「郷土料理」ではなく、神仏習合の精神性、自然との共生、八百万の神々への敬意が、食という形で結晶した、世界に類を見ない文化資産。
しかしその真価は、これまで充分に世界へ翻訳されてこなかった。
本事業は、総料理顧問に世界的シェフを起用予定(詳細調整中)。熊野の地元食材と日本の精進文化を、世界水準のガストロノミーとして再構築する。
じゃばら、ぶどう山椒、本宮の梅、紀州みかん、地元米、山菜、川魚、ジビエ ── 熊野で育まれた素材を、フランス料理・北欧料理・現代日本料理の技法と感性で再解釈する。地元生産者との直接連携で、トレーサビリティと公正な対価還元を実現。
参拝の前後に身を清めるために供されてきた精進料理の思想と技法を、現代のヴィーガン・宗教食(ハラール・コーシャ・ベジタリアン)対応として翻訳し直す。世界の食文化的多様性に応える、新しい「精進」のかたち。
熊野本宮大社の祭事暦、本宮地域の四季、農作物の旬に呼応する季節別メニュー。冬は囲炉裏、春は山菜、夏は涼味、秋は実り。土地のリズムと共にある食。
本事業は単独でも展開するが、最終的にはKUMANO XR 体験前後のセットメニュー、熊野リトリートの食事プログラム、邪払の社のドリンクと有機的に統合し、「熊野で過ごす一日/一泊」のすべての時間に意味を与える。
欧米豪の SBNR(Spiritual But Not Religious)層、訪日富裕層リピーター、宗教食対応を必要とする海外客、国内外のサステナブル志向のミレニアル・Z世代。多様に開かれつつ、「ふさわしい人」に届く、品格ある食体験。
世界的シェフを含む専門家ブレーンの体制構築、レシピ研究、地元生産者との対話、人材確保を並行して進行中。提供施設・営業形態は、熊野リトリート事業との連動を含めて検討中。
邪気を、蘇りに翻訳する。
「邪払(じゃばら)」── その名のとおり、邪気を払うとされる、和歌山県北山村にのみ自生する希少柑橘。ゆず・九年母・紀州みかんの自然交配種であり、世界でもこの地域にしか自生しない「幻の果実」。北山村では古くから正月料理の縁起物として愛され、鬼も逃げ出すほどの酸味からその名が付いたと伝わる。
「邪を払う」という名を持つこの果実は、神仏習合・浄化・蘇りという熊野の精神性と深く響き合う。
邪払の社で、蘇の一杯を飲む。── 浄化と蘇りを、一杯に。
「社(やしろ)」は神聖な場所を意味する言葉。単なる売店ではなく、熊野本宮大社の聖域の一部として位置づける。英語名「Jabara Shrine」は、欧米からの巡礼者にも「小さな神聖な場所」のニュアンスを直感的に伝える。
熊野は古来「蘇りの聖地」と呼ばれてきた。語源は「黄泉帰り」── 死者の国から帰ってくること。「蘇の一杯」は、この yomigaeri を一杯に凝縮した名。英訳は Revival/Rebirth と比較検討の上、熊野本宮大社の公式英語紹介でも使われる Resurrection を採用。
販売拠点は、KUMANO XR 受付エリア(大斎原大鳥居前)と一体のカフェ形式。XR 体験の前後に立ち寄れる、瞑想的で品位ある「立ち止まる場」。
XR 体験者の自然な動線上に位置することで、待ち時間や体験後の余韻に、土地の恵みで心身を整え、物語を持ち帰る場としての価値を最大化する。一般巡礼者にも独立して開かれる。
中核商品は邪払からつくるノンアルコールクラフトドリンクです。北山村の生産者(株式会社じゃばらいず北山)との直接連携により、希少素材の安定供給と公正な対価還元を実現します。
ドリンクのみのご提供を基本とし、価格帯は500〜700円程度を想定します。これにより、巡礼者・XR体験者が「ふらっと立ち寄れる」気軽さを保ちつつ、希少素材と熊野の物語性に見合う適切な価値を提供します。
KUMANO XR体験参加者(年間2.4万人想定) ── 体験前後の自然な利用
熊野本宮大社・大斎原を訪れる一般巡礼者(年間来訪者161万人の一部)
欧米豪のインバウンド巡礼者(熊野古道中辺路ハイカーの8〜9割が外国人)
国内外のサステナブル志向のミレニアル・Z世代
本事業からも、KUMANO XR事業と同様に、地域・熊野本宮大社への還元スキームを組み込みます。販売数や売上に応じた段階制の奉納金を、熊野本宮大社にお納めする方針です。事業が成長するほど神社への貢献も自然に増える、持続可能な循環設計を志向しています。
カップ・ストロー等は、可能な限り環境配慮素材を採用します。世界遺産の景観・神域の聖性を損なわない、品位ある運営を徹底します。
歩く文化を、滞在に翻訳する。
熊野古道を歩く旅人にふさわしい宿とは、どのようなものか。豪奢な内装でも、過剰なサービスでもない。早朝に出発し、40km の山道を歩く覚悟を持つ巡礼者にとって、宿は「歩く行為と、聖地を目指す祈りの時間」を支える、静かで品位ある場所であるべき。
熊野が大切にしてきたのは、価格の豊かさではなく、体験の豊かさ。
本事業は、世界遺産・熊野古道の精神性に呼応する、新しい滞在のかたちを設計する。歩く文化への敬意、自然との調和、文化的厚みのある滞在体験 ── 富の多寡を超えて、「熊野で過ごした時間」が一生の財産となる体験を提供する。
「リトリート」と呼ぶのは、本来この語が「静養・隠遁・自己との対話のための退避」を意味し、熊野が古来担ってきた「魂の蘇りの場」と深く呼応するため。
熊野本宮大社の景観と精神性に調和する建築を志向します。地元素材を用いるなど、世界遺産景観配慮を最優先とします。
過度な装飾を排し、日本の伝統建築が持つ余白の美、自然光、季節の移ろい、川や森の音 ── これらを最大限に活かした空間設計とします。
KUMANO XR体験、熊野古道のガイドウォーク、本宮大社での正式参拝、ガストロノミー、邪払の社の蘇の一杯 ── これら当社の他事業と統合された、フルコースの「熊野滞在」を設計します。宿は単なる宿泊機能ではなく、滞在全体のハブとなります。
熊野ツーリズムビューロー様と共有した重要な原則のひとつが「レジデンスファースト(住民優先)」です。地元住民の生活が観光によって損なわれることのないよう、施設の規模・配置・運営方針を、地域コミュニティとの対話を通じて決定します。
熊野本宮大社正面の大鳥居を望む区画を中心に計画中。当該土地は歴史的に、明治22年水害後の本宮大社移転候補地の一つでもあった、象徴的な場所です。
欧米豪・アジアのSBNR層、文化・歴史・スピリチュアル志向の富裕層リピーター。マスマーケットを追わず、口コミ・紹介・少数の質の高いメディアを通じて、深く共鳴する顧客とゆっくりと関係を築いていく方針です。
コンセプト設計、候補地に関する基本合意の調整、建築・運営パートナーの選定を進めています。具体的な開業時期、客室数、価格帯については、KUMANO XR事業の進捗と連動して順次具体化していきます。
四事業は独立しながら、ひとつのブランド観 ──「日本を 世界に翻訳する」── で結ばれる。
訪れる人は、まずKUMANO XRで失われた風景に出会い、邪払の社で「蘇の一杯」を口にし、ガストロノミーで土地を味わい、リトリートでそのすべてを反芻する。一日/一泊/数日の熊野体験を、ひとつの織物として提供する。
それは観光ではない。現代における新しい「熊野詣」のかたち。
特に KUMANO XR と邪払の社は、大斎原大鳥居前という同一拠点で2027年4月に同時オープン。HMD 貸出エリアと邪払の社カフェの一体運営により、来訪者の利便性と運営効率を両立する。